“防災の鬼”渡辺実氏率いる“チームぶら防”は東京電力パワーグリッドの「中央給電指令所」に潜入。ここは東京電力供給エリアすべての発電・給電・送電をコントロールしている中枢である。首都直下地震発生時には、どのようなオペレーションが行われるのか、を深掘りすることに。前編に続き後編は鬼の過去の体験から、首都圏の未来に対する提言が炸裂。

指令所の心臓部をバックに左から中央給電指令所長の堀内信幸氏、渡辺氏、副所長の滝澤栄氏

 中央給電指令所の具体的な働きは何なのか。

「毎日の電力需要を予測し、過不足のないように発電量を調節する必要があります。目安は電源周波数50ヘルツ。天秤で表現すると分かりやすいのですが、左の皿に供給(発電量)を置いて、右の皿に需要(消費量)を置く。メモリの中心が50ヘルツです。供給が需要より重くなれば針は50ヘルツを上回り、逆に需要が供給より重くなれば50ヘルツを下回ります」(堀内氏)

「具体的にどうやってその微調整をしているのですか?」(渡辺氏)

「東京電力パワーグリッドの中央給電指令所では4人チームの5班体勢で24時間、発電量の調整を監視しています。チームは当直長以下、バランス席、調整席、記録席となります。バランス席のスタッフが気象条件などから1時間ごとの電力需要を予測し、翌日の発電計画を作ります。

 もちろん予測が100%当たるわけではありません。バランス席が出した発電計画を元に、時々刻々変わる需要をリアルタイムで観測しながら、調整席のスタッフが水力や火力の発電所に指令を出して周波数を調整。そして記録席のスタッフが各種の給電記録を集計します。当直長はこれら需給運用を総括し、事故や災害が起こった場合、停電の状況などを官庁や社内関係部署に報告します。

 では、2017年のゴールデンウィーク中の5月4日を例に見ていきましょう」(堀内氏)