目安となるのは周波数50ヘルツ

 「目安となっているのが周波数です。電気の使用量と発電量が著しく食い違うと、周波数が乱れて電気を安定してお届けすることができなくなります。東京電力は50ヘルツを保つように調節します」(堀内氏)

 発電所から変電所を経て一般家庭に届けられる電気は「交流」だ。プラスとマイナスが1秒間に何十回と入れ替わるのだが、この回数を表すものが周波数で、単位はヘルツだ。日本の電源周波数は静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を境に東側は1秒間のプラス・マイナスの入れ替わりが50回、つまり50ヘルツで、西側が60ヘルツだ。

 「明治・大正の時代。電力ビジネスがまだ発達していなかったころは、今よりもたくさんの電力会社があって、東側では欧州系の50ヘルツ。西側ではアメリカ系の60ヘルツの発電機を導入したんです。それがなぜか統一できないまま現在に至っている。いつか統一したほうがいいと思いますね。でないと東側で何かあって場合に西からも電気をもらわなきゃならないことがある。そんなときにわざわざ周波数を変換しないといけない。コストのムダだと思う。でもまぁ、これはまた別の問題だけどね」(渡辺氏)

右の壁一面で首都圏の電力供給状況がひと目でわかるELDAC

 「我々は使用量と発電量のバランスが東日本の標準周波数である50ヘルツを保つように24時間、365日監視調節しているのです。時々刻々と変化する電気の使用量と発電機の発電状況、複雑な電気の流れなどを管理し、モニターやパネルでひと目でわかる仕組みを構築しているのです」(堀内氏)

 電源周波数は大きすぎても小さすぎてもだめ。規程の周波数ではない電気環境で家電を使用すると最悪の場合はこわれてしまうこともある。そのためにも東日本は50ヘルツ。西日本は60ヘルツをキープしなければならないわけだ。

 「夏はだいたい午後の2時過ぎに電力消費のピークがきます。冷房の使用がこの時間に集中するからです。冬は逆に暖房が電気の使用量を大きく左右する。夏の冷房は電気の最大需要の3分の1ほどを占めており、冬は4分の1ほどが暖房につかう電力です。曜日やお天気によっても時々刻々と電力使用量は変わってきます。これをわかりやすく視覚化してくれるのが最新のコンピューターシステムを導入した『ELDAC(エルダック)なのです」(堀内氏)

 後半では、中央給電指令所の詳細な働きについて、さらに迫っていく。

■訂正履歴
記事のタイトルを、「電力供給の中枢『中央給電司令所』とは?」としていましたが「電力供給の中枢『中央給電指令所』とは?」の誤りでした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2018/3/26 14:00]