そもそも中央給電指令所とは

 この事故を踏まえて、東京の送電設備のあれこれを聞くために東京都千代田区の東京電力パワーグリッドを訪れた。

 迎えてくれたのは同社中央給電指令所長の堀内信幸氏と同じく副所長の滝澤栄氏、そして系統運用部給電計画グループマネージャーの松田隆司氏だ。

左から松田隆司氏、堀内信幸氏、滝澤栄氏

 お三方が所属するのは肩書の中にもある「中央給電指令所」だ。聞き慣れない方も多いだろう。しかしこの施設こそ、首都圏の発電・給電・送電の要ともいえる存在だ。

 大前提として、同所の概要を所長の堀内氏にうかがった。

 「電気は水やガスのように貯めておくことができません。24時間、365日絶え間なく発電し、ご利用者まで届け続けなければなりません。発電所から様々な施設を経由して電気をお届けするために需要と供給を計画・観測し、電気の通り道を滞りのないように監視、また送電に関連する様々な情報を収集し関連事業者に伝達する。そうした任務を担っているのが中央給電指令所です」(堀内氏)

 東京電力は1都8県。日本全体の面積からいうと1割にもなる地域を受け持つ。発電所から利用者まで、まさに網の目のように張り巡らされたネットワークを介して電気を送り届けているのだ。

 政治経済の中心である首都圏は、日本全体のおよそ3分の1の電力を消費する。この膨大な電力需要に応え、滞りなく送電し続けることこそが電気の品質そのものといえる。

 「電気の品質を保つことについて、もっとも重要なのは『需要と供給のバランス』を読み取ることだと思っています。そのために中央給電指令所はどのような働きをしているのですか?」(渡辺氏)

 「おっしゃる通り、電気の使用量と発電量を等しくなるように調整するのが重要です。ではそのバランスを調整するために何をしているのかというと、発電量のコントロールです」(堀内氏)