直接配布でコストも手間も削減

 配布については、郵便配達をはじめいろいろな方法がある。その中でも、各戸の郵便ポストに配布するポスティングという方法をとっているが、この方法を選んだ理由はどこにあるのか。

東京都総合局総合防災部防災管理課長の船川勝義さん(右)と“防災の鬼”渡辺実氏との議論は続く
東京都総合局総合防災部防災管理課長の船川勝義さん(右)と“防災の鬼”渡辺実氏との議論は続く

「郵便物として宛名を書いて配達する、という方法であれば、たぶん今回の3倍くらいの費用がかかったと思われます。つまり、費用の面が1つ。もう1つは自治体としての立場ですね。

 東京都は基礎的自治体ではない(つまり区市町ではない)ので、各戸の住所と名前を集めるのもけっこうハードルが高いわけです。もちろん各区市町さんに情報を提供してもらってそれを使うという方法もなくはないのですが、それもかなりの手間がかかる。また、区市町に依頼してもその事務量は大変なものになる。そういう理由で、とにかくすべての郵便受けに配布するポスティングを選択したわけです」(船川氏)

「この『東京防災』は東京都が発行しているんだけど、市民からの問い合わせが区市町にいくこともあるらしいですね。実は、とある区の職員から聞いたのですが。『東京防災』は都が作ったものなのに、うち(区)に問い合わせがあるから仕事が増えたって(笑)。でもそれだけ反響があって、都民の危機意識が高まっているという証拠でしょう。嬉しい悲鳴と受けっていいのかもしれませんね」(渡辺氏)

 このように『東京防災』の評判は上々だ。ここからは実はあまり知られていない『東京防災』の豆知識を紹介しよう。

イラストを多く使用し、分かりやすさを追求
イラストを多く使用し、分かりやすさを追求

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