全8147文字

エベレストのベースキャンプ再現

國井:テント村は、エベレストのベースキャンプをイメージしたとか。

野口:震災のテント村をつくったことがないので、エベレストのベースキャンプを再現してみたらどうかと思ったんですよ。5300mの非常に厳しい環境で、心身ともにゆっくり休めるように考え抜かれたテントなので。輪になることでテントが風で飛んだらすぐ気付くし、チームとして団結する。圧迫感を減らすため高さ約2メートルというのも特徴です。

國井:おおっ、テント村で使ったのもそんなに高いの?

野口:あの中で普通に歩けるんですよ。

國井:災害のときにシェルターをどうするかは基本中の基本なのに、日本ではみんな学校や体育館でやって、そこでまかなえない場合にどうするかというオプションが十分でない。健さんの今回のテント村は1つのオプションを示したわけで、これから変形のオプションをつくるべき。テントとかプレハブの小さな物置とか、リサーチ・アンド・デベロップメントでいろいろな企業や産学官民連携で、みんなで開発していけるといいね。段ボールベッドだって簡単でしょう。

野口:本当に簡単ですぐできた。

國井:それも健さんや総社市がやらなかったら、行政は知らないままだったかも。

野口:嗜好品のこともそうだし、避難所での性の問題も、実は人間の根本的な欲求なのに語られていない。

國井:そうですね。心の傷を早めに落ち着かせるヒーリングプロセスを促進する重要なものだと思っています。性のことは被災者から言い出しにくいので、特に代弁する必要がありますね。

野口:あとは、避難所の国際基準「スフィア基準」の読みやすい日本版ができれば。子どもたちが読めるようなものにしたい。小説のカタチでもいいかもしれない。

國井:そう、日本ではこれを読めばわかるというものが必要だね。いろいろ考えていきましょう。

(構成=佐々木恵美)