世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数」レポート2017 年版で1位になったアイスランドの氷河湖(写真:著者撮影)

 世界を転々としていると、他の国々と日本との違いを目の当たりにする。特に、最近気になっているのが「男女格差」である。

 1960年代後半にアメリカで沸き起こった女性解放運動、いわゆるウーマン・リブ(Women's Liberation)以来、「男女平等」の概念とその達成への努力は世界で広がっていったが、未だその格差が縮まらない国が多い。

 この男女格差を数値化して毎年世界ランキングを発表しているのが、ダボス会議で有名な世界経済フォーラム(World Economic Forum、略称 WEF)である。

 その報告書「ジェンダー・ギャップ指数」レポート2017年版によると、日本の「男女格差」は前年よりも3位後退して、世界144カ国中114位。

 先進7カ国中最下位であるだけでなく、ブラジル、ロシア、インド、中国などの新興国、さらに、ブルンジ、ナミビア、南アフリカなどアフリカ15カ国よりも下位である。

 ここで指標として使われているのは、経済、教育、健康、政治の4分野。

 特に、「経済活動の参加と機会」(給与、雇用数、管理職や専門職での雇用における男女格差)、「教育」(初等教育や高等・専門教育への就学における男女格差)、「健康と寿命」(出生時の性別比、平均寿命の男女差)、「政治への関与」(議会や閣僚など意思決定機関への参画、過去50年間の国家元首の在任年数における男女差)などがある。

 中でも日本の課題として示されているのは、経済と政治分野での男女格差。

 官民の高位職における女性の比率、女性の専門的・技術的労働者の比率、国会議員における女性比率は他国に比べて特に低く、過去50年間に女性の首相が出ていないことも、順位を下げる要因となっていた。

 この世界ランキングの第1位は、なんと9年連続でアイスランド。FIFAワールドカップに出場した中で最も人口の少ない国で、なんと35万人。私の出身県、栃木の県庁所在地、宇都宮市(51万人)よりもずっと少ない。

 最近の2018FIFAワールドカップではメッシ率いるアルゼンチン代表と引き分けて大フィーバーしたというが、その試合のアイスランド国内での視聴率は99.6%。その高視聴率よりも、「残りの0.4%はどこにいたんだ?」との話で盛り上がり、FIFA会場の「ピッチにいたんだよ」との自虐的なギャグに笑いがとれるほど、小さく、素朴で、牧歌的な国なのである。

 この国では、2009年から2013年にかけてヨハンナ・シグルザルドッティルが女性初の首相を務めた。女性議員は2017年6月時点でなんと48%を占め、大学卒業生の66%は女性、80%以上の女性が就業している。

 これらの数字を見るだけでも、アイスランドの男女格差がいかに少ないか、いや、むしろ女性がいかに活躍、社会進出しているかが見て取れる。
私もこの国を旅したことがある。

 火星にでも来たのかと錯覚させる広大な溶岩台地、ターコイズブルーの氷塊が自然の宝石のように輝きわたる氷河湖、大迫力で吹き上がる「自然のアトラクション」大間欠泉など、まさに息を飲む大自然を抱える国である。

 そこで感じたのは、男尊女卑の女性蔑視もなければ、逆に女性を特別視するレディーファーストの風習もなく、男性と女性が同等に働き、家事や子育てに男性が参加するのは当たり前という社会風潮である。

 しかし、現地の人によくよく聞いてみると、そんな男女平等も昔から存在していたわけではないらしい。