これに加えて、私は日本の企業や組織・団体に提案したいことがある。

 それはBCPやBCRPのみならず、緊急時・非常時のボランティア支援計画(Voluntary Support Planning、VSP)を作ることである。これは特に、自らの会社や組織は被災しなかったが、他の会社や組織が被災した、また他地域で広域災害が起こり支援を必要としているような場合に、各会社や組織・団体がボランティアとして貢献できることを計画し文書化しておくのである。

災害対策は「起こってから」では遅い

 最近は社員の兼業を許可する企業も増えていると聞く。例えば、どの程度の社員が緊急支援を必要とする地域でボランティアとして働きたいと考えていて、彼らのボランティアを認めるのか、その中には緊急支援に活かせる専門性(医療・栄養、ITやロジスティクスなど)を持つ社員がいるのか、いるのであればどのようなものか、どのような資機材(車、コピー機、コンテナなど)を貸したり寄付したりできるのか、などをあらかじめ調査、議論、合意して「見える化」して、できれば公開しておくのである。

 災害対策は起こってから準備するのでは遅い。平時に、多くの組織・機関が緊急事態に対する自らの事業継続に関する計画を立てるのと同時に、被災者・被災地域に対して何ができるのかを見える化し、準備・計画しておくことで、災害時のニーズに対してサプライを迅速にマッチングさせることも可能になる。

 さらに、「困ったときはお互い様」の精神を社会に広げ、具体的なアクションにつなげることにもなる。

 日本は災害頻発国でありながら、その対策は世界のどの国よりも政府や行政に頼り切っているような気がする。官のみならず、民も産も学もすべてが連携・協力しなければ、本当の意味で効果的・効率的な防災、災害対策、緊急・復旧・復興支援はできない。

 「困ったときはお互い様」

 災害が頻発する中で、気持ちだけでなく、具体的な社会的なアクション、仕組みを作る必要があると私は思う。