なぜ日本の女性たちは海外に飛び立つのか

乙武:ちょっと話がそれるんですけど。

國井:どうぞ。

乙武:昨年夏、ご縁をいただいて、ガザ、イスラエル、パレスチナのヨルダン川西岸地区、ヨルダンなどを訪問する機会に恵まれたのですが、現地では多くの国際協力に携わる日本人にお会いしたんですね。ところが、驚くことにその8割方が女性だったんです。これは不思議だなと最初は思ったんですけれども、いろいろお話をしていくうちに全然不思議ではなくなってきて。彼女たちほど優秀で「仕事をしたい」という思いが強い方々が、日本でも現在のような働き方ができるのかというと、どうしても、仕事か、子供を産み育てるかの二者択一にならざるを得ないという現状がある。
 でも、それが海外なら、きちっと仕事もできるし、子供を産み育てることもできるという環境が整っているとなれば、それは外へ出るよなと。語学もできて優秀な方だったらなおさらだろうということを強く感じましたね。
 日本では女性活用ということが盛んに叫ばれていますが、こうして優秀な女性の人材が海外に流れ出てしまっているということを、もっと直視しなきゃいけないなと痛感しましたね。

國井:グローバルで生活をすればするほど、日本は、女性にはそんなに優しくないなと肌で感じますね。

乙武:世界経済フォーラム(WEF)が発表した、いわゆる男女平等の度合いを表す「ジェンダー・ギャップ指数」の2016年版によると、日本の順位は144カ国中111位。前年の101位からさらに後退しています。これを日本でも向上させていきましょうということで、政府が女性政治家の数や女性経営者の数を増やすというような数値目標を出しているかと思うんですけれども、何か順位を上げるためのテクニカルな話になってしまっていないだろうかと危惧しています。今の社会のままだと、男社会の中で男性のように振る舞い、男勝りにやれていく女性を増やしていくという話になってしまわないだろうか、と。
 そういう話ではなくて、女性ならではの感性であったり、そういったものを国政の場だったり、経営の視点に生かせることが本当のダイバーシティーだと思うんです。

國井:「元気で優秀な人を選ぶと女性ばかりになっちゃうので、下駄をはかせて男も採用してるんだよ」なんて、企業経営者の方の話を聞いたりしていると、いろいろ課題は多いなぁ……。