子どもたちを置き去りにしないために

國井:もう一つのテーマは「沖縄」、ですよね。私も沖縄の大ファン、大好きな場所ですから、このテーマには大いに関心があります。

今井:沖縄は歴史的にもいろいろ難しい問題があって、軽々しくこうすれば一気に解決できる、というようなものではありません。一つ一つ、丁寧に対処していかなければいけない。
 私は沖縄で生まれて、育って、12歳で東京に来ましたから、いわゆる内地では「沖縄出身の人」と言われるけれど、沖縄では「もう内地の人」と見る人もいます。でも、私は沖縄が好きだし、沖縄がもっと魅力的な場所になってほしいと思っています。沖縄だけ、内地だけではなく、両方を知っていることで、見えてくることもあるし、できることもあるはず。そう思っています。

國井:具体的には?

今井:例えば「貧困」の問題。もっと具体的に言うと、シングルマザーをしっかりサポートできるようにしたい。

國井:確かに沖縄はシングルマザーは多いようだけど、昔ながらの、家族や地域の人が子供の面倒を見てくれるとか、内地よりそういう文化があって。それはなくなってしまったの?

今井:今でもそういう意識は強いし、そういうサポートを受けて頑張っている人は多い。でも、見方を変えれば、そういうサポートに頼ることで、本来、政治がサポートすべきことが足りないままになっているということもあるんじゃないかと思うんです。

國井:僕は伝染病対策などで世界の熱帯地域に行くんだけど、そこで思うのは、暑い地域はどこも男が働かないんだよね。
 アフリカに行くとね、家づくりまで女性の仕事で。こう、土で壁を塗ってね。水を汲みに行くのも女性。頭に甕を乗せて、歩いて往復6時間なんていうところもあった、それを毎日。

今井:その間、男の人は?

國井:一応、放牧の仕事。ライオンに牛や羊が喰われないように見張ってるんだ、とか言ってるんだけど、適当に牛のお尻をはたいたりしているだけで、実際は何もしていない(苦笑)。

今井:沖縄の女性も働き者で、私の友達にも、看護師の資格を取って、シングルマザーとして子育てしながら自分で稼いで、という人が幾人もいて。周囲の人の協力を得られる人もいるけれど、そうもいかない人もいるし、子どもを育てながら働くこと自体がなかなかうまく行かない人もいます。
 私自身もシングルマザーで、シングルマザーなりの苦労ということに共感するということはあるけれど、視点としては、単に苦労している女性たちを助けたいというより、子どもたちが不当に苦しい環境に置いて行かれないようにしたいんです。

國井:未来を担う子どもたちを置き去りにしない。大事な視点だね。

今井:私が政治家を志した原点は何かと言えば、子どもの笑顔です。うちの息子は障がいを持って生まれてきて、昔ながらの世間的な言い方だと五体満足じゃない、ということになりますが、私なりにすごく愛しているし、大切に思っている。彼が笑顔になれば、私も笑顔になる。子どもの笑顔には、周りの人たちを元気にする力があって、つまり、社会をよりよくしていく原動力になると思うんです。

 でも、悲しいことに、子どもたちから笑顔を奪う環境もあります。例えば「虐待」。これについては障がい者だから、健常者だから、ではなくて、絶対的に理不尽な扱いを受ける子どもたちが現実にいる。その重い現実をなんとしても変えたい。
 例えば、通報制度が整えられることで、虐待の実態が分かって、救える子どもが増えるのはすばらしいこと。でも、絶対数を減らしていかなければ。