透明性、公正さ、そして説明責任

 グローバルファンドのパートナーシップにおいて、このような議論をして合意を作っていく場が理事会であり、それに付随する委員会(戦略投資効果委員会、財政事業成果委員会、監査倫理委員会の3つ)がある。

 理事会は、ビジョンや目標、戦略、また管理・運営方針や資金供与案件の決定などの重要事項を合意する最高意思決定機関であり、付随する各委員会で詳細な報告や議論がなされた上で理事会に提出される。

 グローバルファンドでは、その事業予算の9割以上が先進国政府によって拠出されているが、理事会はミッション達成に必要なパートナーを参画させるため、以下のような構成(議長・副議長も含めて計28名)となっている。

 議決権のある理事20名は、ドナー国政府8名、受益国(低中所得国)政府7名、民間企業1名、民間財団1名、途上国NGO代表1名、先進国NGO代表1名、感染者コミュニティの代表1名。

 議決権のない理事6名は、世界銀行、国際保健機関(WHO)、国連合同エイズ計画(UNAIDS)、UNITAID、スイスである。

 理事会に付随する3委員会にも同様に様々なパートナーが参画している。

 これをみて官民パートナーシップといいながら、政府系が多いのではないかという印象をもつ人もいるかもしれない。しかし、理事会での議論を聞いていると、NGOや感染者コミュニティは現場の惨状をよく知り、実際の対策にも関わっている世界中に散らばる組織・団体やネットワークを代表しているため、彼らの発言は強く重く、ドナー政府代表の意見を論破することも少なくない。現場の切実な思いを代弁しているため、理事会や委員会の議論を机上の空論でなく、現場の問題解決への現実的な議論に変えている。

 その他にも、グローバルファンドでは世界の専門家とのパートナーシップにより、資金供与の審査やグローバルファンド自体の評価を実施しており、透明性や公正さを高めている。技術審査パネルや技術評価レファレンスグループと呼ばれるものである。

 透明性・公正さ、そして説明責任というのは、パートナーシップ構築で最も重要な要素である。これに対しては、さらに事務局の外に独立した監察総監室(Office of Inspector General)を設置し、定期的に事務局の管理・運営、国レベルの事業・資金管理などをチェックし、理事会に報告している。

次回に続く)

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1ページ目、写真を追加しました。 [2016/02/08 12:00]