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LGBTの人々が求めているもの

 しかし、このような運動、ムーブメントに対して、

「LGBTを理解して差別しなければいいんだろう。でもそれ以上の共感や支援など必要ない」

「LGBTに特別にテコ入れする必要はない!」

と考える人々も少なくないことは、炎上した政治家の発言、マスコミの報道などを見れば明らかである。

 これに対して、多くのLGBTの人々が求めているものは、「過剰な要求」ではなく「最低限の要求」そして「基本的な権利」であることを知る必要がある。

 例えば、同性同士の結婚。

 好きで一緒に住んでいれば、別に結婚する必要はないだろうという声もある。

 しかし、もしパートナーが危篤状態等になった場合、親族として認める証拠がなければ、病室に入ることもできないのが現状である。パートナーの手術同意書にサインができない、病名の告知を聞けない、保険金の受け取り、子どもの養育、財産の相続などができないなど、他にも様々な障壁がある。これを乗り越えるには、結婚という形、または「法律で家族として認められる証明」を得なければならない。

 2000年以降、欧米を中心に、法律で同性結婚が認められるようになってきたが、日本では未だ法律上は認められていない。

 だからこそ、「同性パートナーシップ条例」を2015年4月に全国で初めて施行し、同年「パートナーシップ証明書」を発行した東京都渋谷区のインパクトは大きいといわれている。

 渋谷区長の長谷部さんとは、先日「TEDxShibuya」でもご一緒させて頂いたが、博報堂から政治家に転身しただけあって、「ちがいをちからに変える街。」などキャッチーなスローガンの将来ビジョンを作り、社会貢献のための強いメッセージを伝え、それを実践している。

 これによって渋谷区では、証明書を取得したカップルは家族向け区営住宅への申し込みができ、事業者の裁量によっては夫婦と同等に扱われることで、会社での家族手当の支給など配偶者や家族向けの福利厚生制度を受けることも可能になったという。

 このパートナーシップ証明書の第一号をとったのが、最近、京都から来年の参議院選挙に立憲民主党から立候補予定の増原裕子さん。そして、最近、彼女のパートナーとなったのが経済評論家の勝間和代さんである。

 私もお二人を存じ上げているが、とても素敵なカップルだ。LGBTを含めて、多様な人々がもつ「最低限の要求」が認められる社会づくりに大いに貢献して欲しいと思っている。

増原裕子さん(左)とパートナーの勝間和代さん(写真:本人提供)