経営が立ち行かなくなった地方の温泉旅館を積極的に取得、活性化する大江戸温泉物語グループ。運営する旅館を訪れると、初めての施設でもなぜか「懐かしさ」を感じることが多い。その真相に迫った。

10月上旬。記者は東北有数の温泉地、鳴子温泉郷(宮城県大崎市)を訪れた。お目当ては、温泉街の一角にある老舗旅館「ますや」。大江戸温泉物語グループが今年5月末に取得し、改装した施設だ。この日はリニューアルオープンを前に、報道関係者向けの内覧会が開かれた。
大江戸温泉は2007年から、経営が苦しく事業承継にも悩む地方の温泉旅館などを取得、活性化する取り組みで成長を続ける。強さの秘訣は何か。それを探るのが今回の目的だ。(関連記事:日経ビジネス12月5日号企業研究「大江戸温泉物語 旅館の再生に技あり」)
テレビゲームに心躍る
客室、浴室、食事会場と順に見学する中で、記者が最も心躍る場所があった。それはゲームコーナー。一角に、1983年発売の任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」が置いてあったからだ。記者が小学生のころ、初めて手にしたゲーム機がこのファミコンだ。

記者は幼少期、まずシューティングゲームの「ツインビー」で遊んだ。その後、「スーパーマリオブラザーズ」、「ドラゴンクエスト」シリーズと徐々にソフトを購入し、繰り返し遊んだ。ますやのゲームコーナーのファミコンソフトをのぞくと、そのツインビーやドラクエシリーズがあった。一瞬にして幼少期の記憶がよみがえり、久々にファミコンで遊びたい衝動に駆られた。
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