大男が縮こまって会議
オーストラリアで人気である銀色の大型車を改造した家もある。覗き込むと、大きな男性たちが、狭い家の中で膝を折り曲げて会議をしていた。圧迫感が楽しいのだろうか。

イタリアの人気宿は色使いが独特だ。ヤカンの形をした照明が印象的な部屋もあった。創設者たちが事業を起こした当時の部屋も再現されている。日本やオーストラリア、インドネシアなどのデザインの凝った部屋もある。

会議室以外もこだわりがある。段差の違うソファが並べられた公園のような開放的なスペースがある一方で、個人が集中するために電話ボックスのようなスペースもある。
そうした社内で犬を連れた社員やジョギングウエアを着ている社員が動き回っている。それぞれが様々な部屋や通路で会話したりパソコンに向かったりしており、自由な雰囲気が漂っていた。
創業者たちはこうしたオフィスの設計に並々ならぬこだわりがあるという。オフィスの入り口には、初めてエアビーを利用した3人の特大写真が飾られている。

また、巨大なシリアルの箱も置いてあった。資金繰りが厳しかった2008年に大統領選に便乗したシリアルフレークを売って、資金を稼ぎ、急場をしのいだこともある。創業当時の苦労を思い出すために置き続けているようだ。
共同創設者のジョー・ゲビア氏に事業の目的を聞くと、こう答えた。「最終的には、それぞれの違いを理解できる社会にしたい。国や宗教は違っても、同じ地球に住んでいる。相互理解を進める一番いい方法は、一緒に家に住むことだ。言語や文化を共有したり、食事を分かち合ったりすることでお互いへの理解が深まるはずだ」

オフィス作りも共通の理念が反映されているように感じた。様々な文化を取り込んだオフィスを作ることで、各国の文化風習を理解するように努めているようだ。
オフィスを巡回すると、多くの社員が社内に滞留し、コミュニケーションが活発のように感じた。その1つの要因に、飽きがこない楽しいオフィスという面があるかもしれない。
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