今年1年も取材で様々な企業のオフィスにお邪魔した。その中で、最も印象的だったのが今夏に訪れた米Airbnb(エアビーアンドビー、以下エアビー)の本社だ。

 同社は部屋を提供したいホストと、宿泊したいゲストをネットを通じて仲介し、宿泊料金を元に双方から仲介料を受け取る。ホストは自宅の部屋などをゲストとシェアするという意味から、シェアリングビジネスの代表格の企業だ。 

 事業が急拡大し、数年置きに本社を移転している。2013年に移転したこの本社は、創設者たちが初めにエアビーを始めたアパートから歩いて10分強のサンフランシスコ市内にある。

 エントランスは吹き抜けのホールがあり、雲を模した造形物が浮いている。広々とした解放感があり、いかにも時代の最先端を行くという会社の雰囲気がある。

米エアビーアンドビー本社のエントランス

 しかし、オフィスの中に入ると雰囲気は一変する。最大の特長は統一感のない点だ。ワークスペースや会議室は多様性に富んでおり、1つとして同じものがないように感じる。

 特に会議室が面白い。

 大半がエアビーの人気宿を模した部屋である。会議室ごとに机や椅子、ソファの形状や配置がバラバラで、社員たちは思い思いの格好で使っている。およそ20カ国の部屋があり、本社を歩くと世界中を旅しているような気分になれる。

あえて段差がジグザグになっている

 例えば、キノコの形をした家はエアビーの利用者の中で最も人気がある宿の1つだ。米国のホストの家で、2階が寝室になっており、天窓もある。

キノコの形の家。利用者の中で最も人気がある宿の1つだ