2017年はライドシェアの勢力図が激変した年だった。

 2016年までは米ウーバーテクノロジーズの独走態勢になりつつあったが、スキャンダルによって自滅。代わりに各地域発祥のライドシェア企業が盛り返した。中でも顕著だったのは米リフトの復活だ。2017年に入って利用者が伸び、成長が続いている。

 本誌記者は2016年4月に、この変化を予知したような発言を米リフトのローガン・グリーンCEOから聞いていた。

 「我々は評判の悪いウーバーとは違う」

 当時は負け犬の遠吠えと言われても仕方がない状況だった。ウーバーはトラブルは抱えていたものの、好戦的な経営姿勢については「やんちゃ」と好意的に見る向きもあった。当時リフトは身売り説も浮上しており、完全に劣勢に立たされていた。

 グリーンCEOは、ウーバーについてこう話した。「ウーバーは運転手をあくまで商品と考えている。我々のビジネス展開では人が核となり、運転手にもいい待遇をしたいと考えている」。

 その具体例として、運転手に対してチップの受け取りを認めていることと、パートタイムの運転手への当日支払いのシステムを導入していることを挙げた。いずれも当時、ウーバーは導入していなかった。

 米国ではウーバーとリフトの双方のサービスを提供する運転手が多いが、リフトの方が運転手の取り分が多いとされる。

米リフトのローガン・グリーンCEOは、留学先のジンバブエで近隣や地域の人々の間での相乗りが通常の交通手段として使われていたことにより着想を得て、2007年にリフト前身のZimrideを設立した

 「運転手をハッピーにすることで、乗客もハッピーになる。共同創業者のジョン・ジマーCEOは、米コーネル大学のホテル経営のコースを取っていて、我々のサービスはホスピタリティを重視している」とも語った。

 こうした発言は、「お行儀が良いから、やんちゃな企業には勝てない」と批判されなねない発言だった。