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11月2日、横浜市内で完成した実証プラントの竣工式を開催した

実証プラントの投資総額が約58億円です。今後さらに規模の大きい商業プラントを作るとなると投資額が膨らみそうです。

永田氏:商業プラントは実証プラントの数百倍の規模になる予定ですが、投資額は全く比例しません。バイオ燃料といっても出来上がるものは普通の燃料と一緒で、設備もほとんど一緒ですと先ほど申し上げました。実証プラントは全ての設備をバイオ燃料のためだけに作っているので高コストなんです。ミドリムシの油と廃食油からバイオ燃料を作る反応装置棟以外は、普通の石油プラントと全く同じ設備です。石油の精製量は下がってきていて、使われていない設備があります。そうした既存のプラントの一部をバイオ用に入れ替えさせてもらえば一気に低コストにできます。そのパートナーを増やしていきます。

 稼働すれば従来燃料と同等の価格まで落とすことができます。これは単純に規模の経済の問題で、投資額は実証プラントの数倍で済むと見ています。それだけ実証プラントが非効率ということです。25年の稼働を目指していますが、もっと早く実現したいと考えています。

大量生産できるようになったとして、それに見合うだけのニーズはあるのでしょうか。

永田氏: 国際民間航空機関(ICAO)という航空業界の国連のような組織があります。ここが21年以降、規制値以上の温室効果ガスを排出する航空会社に排出権購入を義務化すると定めているんです。この基準をクリアするためには、JALもANAもバイオ燃料の利用を拡大していくことは避けられません。世界で見ると、ノルウェーのオスロ空港や米国のロサンゼルス空港では16年からバイオ燃料を導入しています。日本は圧倒的に後進国で、その分伸び代もあります。

 一般的に航空会社は、会社のコストのうち3分の1が燃料費です。なので航空会社の業績は石油価格と連動しやすい。さらに為替が影響してくる。でも国産のバイオ燃料であれば為替も石油価格も関係ない。JALやANAもそうですが、格安航空会社(LCC)などのニーズが特に高まるでしょう。

事業を拡大していく上で課題はありますか。

永田氏:原料の確保がボトルネックになります。日本の航空機のジェット燃料市場は1兆円弱あるといわれています。もしこれを全てバイオ燃料で供給しようとしたら膨大な量の廃食油を集めないといけません。実は国内で出てくる廃食油の多くが海外に輸出されているんです。欧州などに運ばれて、そこでバイオ燃料になっています。それくらい世界で取り合いをしている。せっかく国内に、ある意味油田ともいえるものがあるのに海外に持っていかれてる状況です。それなら日本でやるべき。日本中からどれだけ集められるかがこれからのチャレンジです。