アイデアは既にある

 「実現しようとしているいくつかのアイデアは既にある」。ジャグラー氏は具体的な言及を避けたが、ヒントを与えてくれた。

 一つは販売店との関係性の変化だ。これまで消費者はクルマに不具合が生じた場合、近くの販売店に自ら足を運んで修理を申し出ていた。デジタルキーがあれば、たとえユーザーが不在でも、販売店がそれぞれのクルマに出向いて簡単な修理を行ったり、クルマを整備工場に運ぶこともできる。「この数年の間に、クルマを取り巻く環境はがらりと変わるだろう」(ジャグラー氏)。

デジタルキーがあれば、自分のクルマがどんな状況か瞬時に分かる

 カーシェアリングへの転用も考えられる。自分が持つクルマをカーシェアリングする場合でも、鍵の受け渡しをすることなくスムーズに貸し出すことができる。

 アプリを使えば、クルマがどこにいて、誰が何回ロックを解除したか、どれくらいの距離を走ったのかを瞬時に確認することができるので、貸し出している側も安心できる。

 ボルボは今年8月、ライドシェア大手の米ウーバー・テクノロジーズと自動運転車の開発で提携した。自動運転とシェアリングを組み合わせるビジネスがボルボの視野に入っているとみられる。

 鍵の全廃だけでなく、クルマをECサイトで買えるようにしたり、あえて部品メーカーと自動運転ソフトウェア開発の合弁会社を立ち上げたりするなど、近年のボルボは我が道を行く。