ブラック企業とは付き合わない

 とはいえ、ここまで書いてきたように何から何まで良いことづくめというわけではない。そもそもフリーランスとして独立できるだけの技術力がなければならないのは大前提だが、常に自分の希望に沿った求人があるわけではない。「腕」を買われている以上、常に新しい技術や知識を習得して自らを磨き続けることも重要だ。

 ギークスではこうした点のサポートにも注力。契約書の作成など事務作業を代行するほか、各種セミナーや交流会を通じて登録者がスキルアップできる機会も積極的に提供している。さらに、事業の大前提として、ブラック企業はクライアントにしない。小幡氏は「業界内で悪い噂が立っている企業には、我々としては決してアプローチしない。駒のように技術者を使うような企業と取引すれば、サービス自体の信用問題に関わる」と明かす。

 緒についたばかりとはいえ、フリーランスを活用する動きは今後さらに広がっていきそうだ。それに伴い労働環境改善が促されれば、IT人材不足が解決に向かう一つのきっかけになる可能性もある。ギークスと同様のサービスを手がける企業も増えており、優秀なフリーランスを確保するための競争も足元では激化しているという。米国同様「1000万円プレーヤー」のフリーランスが当たり前のようになれば、多くの技術者を苦しめる「残酷物語」が減っていくことにもつながるのではないだろうか。