どこでもドアといえば、普通に連想するのはドラえもん。息子が持っている「ドラえもん ひみつどうぐ100」(小学館)を改めて見直してみると、堂々のトップバッターを務める夢の道具だ。いまさら機能の説明は不要かもしれないが、この本によると、ドアを開くだけでどこでも好きなところへ行ける、とある。

 翻って、三菱重工が名乗るところの「どこでもドア」。とっくにホーム上のホームドアとしての商標登録も済ませたという手の入れようだ。そして10月末、傘下の三菱重工交通機器エンジニアリングによる実証試験が始まった。場所は神奈川県にある京浜急行電鉄・三浦海岸駅だ。

見た目はよくある普通のホームドア(京急・三浦海岸駅のホーム)

1年かけて動作や耐久性を検証

 列車は種類によってドアの数や位置が異なる。通常のホームドアの場合、据え付け場所が固定されてしまうため、特定の列車にしか対応できない。これでは様々な列車が停車するホームで使うことができず、結果的に普及が進まない一因となってきた。

 どこでもドアの利点は、ドアの数や位置が異なる様々な列車に柔軟に対応できることだ。装置に備えたセンサーによって1車両あたり2ドア・3ドア・4ドアといった違いを認識、必要な扉のみを器用に開閉する。これがどこでもドアを称する所以だ。

 人が乗降する開口部は3メートル超を確保。通常のホームドアの2メートルよりも広くとってある。手動停止による停止位置の多少のずれに余裕を持たせるためだ。鉄道版の自動ブレーキで、ホームにピタッと止める「TASC」(定位置停止装置)が整備されていない路線は少なからずあるが、そうした路線のホームでも設置しやすい。

ホームに入ってきた列車に適した場所の扉を開閉