「我々はモビリティ・プロバイダーになる」

 発言から読み取れるのは、この4つを個別に開発するつもりはないということだ。分かりやすいのは、接続性の「C」と自動運転の「A」だろう。

 自動運転の実現には、1台のクルマが周囲を認識しただけでは情報が不足する。カーブの先の事故や100m先の路面凍結の有無、交差点で死角になった位置からのクルマの侵入などといった情報は、クルマとクルマが接続されていて初めて分かる。つながることと自動運転は切っても切り離せない関係になっている。

 自動運転の「A」と共有の「S」はどうか。すぐに思い浮かぶのは、自動運転タクシーだ。相乗り可能な無人タクシーが走り回る世界。しかもツェッチェ社長は「それが個人の収益源になる」と話した。所有者が使わない間、タクシーとして走り回らせておくという未来図だ。

 同社は子会社を通じて、2007年から「car2go」と名付けたカーシェアリングサービスを開始し、今年8月に会員が200万人を超えた。これは自動車メーカーとしては世界最大だ。ダイムラーはシェアリングの延長線上に自動運転タクシーを置いているのだろう。

今年10月にはベルギー・ブリュッセルでサービスを開始したダイムラーのカーシェアリングサービス「car2go」

 同社は以前から、「メーカーではなくモビリティ・プロバイダーになる」と公言している。自動車などの乗り物をサービスとして提供する会社になるという意味で、それは既にcar2goとして一部実現している。

 そして最後の「E」も、全てにつながる。