日本の防衛産業についての取材の一環で、6月にパリ郊外で開かれた防衛装備見本市「ユーロサトリ」を訪れた。そこで目撃したのは日本人が「武器」とイメージするものよりも幅広い展示の数々、意外感のあるグローバル企業の存在だった。

 ユーロサトリとは、パリ北方にある巨大な展示場で、2年に1度開かれる陸上・航空関連で世界最大級の防衛装備見本市だ。今年は6月13日~17日の5日間にわたり、151ヵ国・地域から累計で約57000人が訪れた。来訪者はユーザーである各国の軍や治安機関、メーカーの関係者が大半。出展側は56ヵ国の約1600社・団体で、最新の装備や技術などを売り込んだり、各々が情報収集に励んだりする場となっている。

 防衛装備見本市と聞くと、どんな展示を想像するだろうか。戦車や大砲、戦闘ヘリ、機関銃、防弾ベスト……もちろんそういった主要装備は屋外まで含めて大量に並んでいる。日本の日常生活で扱うことのない銃器を記者が持ってみると、ずっしりと重みを感じる。こんな銃器を携行して機敏に行動するには相当な訓練が必要だろう。屋外では暴徒役を鎮圧する機動隊に扮したデモンストレーションなどのプログラムも実施されていた。

町なかのディーラーのようなベンツのブース

 その一方で、直接的な「武器」以外の展示や、通常イメージする「防衛産業」とは一見縁遠そうなグローバル企業の展示も印象的だった。例えば、独メルセデス・ベンツ。町なかでよく見る新車ディーラーのような洗練された「店舗」を構え、ミリタリー仕様の兵員輸送車などを陳列。我々が知る高級車メーカーとしての顔とはまた違った側面がそこにはあった。スウェーデンのボルボが展示していたのは軍用トラックだ。

メルセデス・ベンツ(上)は町なかのディーラーのような店構えで兵員輸送車などをアピール