非大卒には選択肢がほとんどない

 「高校を卒業してすぐに就職しようと思うと、学校に来た求人の中から数社を受ける程度。選択肢がほとんどない」と話すのは、イベントを主催したVAZの森泰輝社長。「中卒や高卒を単純労働力とみなすのは、高度経済成長期に確立した慣習が続いているからだ。非大卒の中にも優秀な人材はいる。今まで彼らのための『就活インフラ』がなかったから埋もれていただけだ」と指摘する。

 「大卒限定で募集している企業は多いが、何を求めるかによる。その仕事は本当に大卒でないとできないのか。何の根拠もない『大卒優先』はやめた方がよい」と語るのは、女性向けシェアハウスを運営するスマートライフ(東京都中央区)の大地則幸社長。今回のイベントに出展した同社では、社員の3割ほどが非大卒だという。

 今回のイベントの参加者は、1万4000人の中から選抜された300人ということもあるのか、記者の眼にはとても優秀に映った。先ほどの20歳の女性は、記者の矢継ぎ早の質問にも的確に答えてくれたのが印象的だった。参加者の中には、高校時代に全国模試でトップクラスの成績を収めていた人や、プログラミングが得意だという人もいた。

 「家庭の事情で進学どころではなかった」「不登校だった」「周りに大学に行く人もいなかったから自分も行こうとは思わなかった」「勉強は好きだし成績もよかったが、大学に行く積極的な理由が見つからなかった」――。10代後半時点での進路など、その人の置かれた環境でいとも簡単に変わってしまう。彼らは様々な事情から、大学に行かずに働く道を選んでいた。