1日17社の説明会、記者の方がヘトヘトに

 記者が密着取材する中で、参加者の熱意を感じる場面がいくつもあった。

 例えば企業説明会。参加者たちはグループに分かれ、順々にすべての参加企業のブースを回った。1社20~30分程度だが、参加企業17社すべてのブースを回り切るのには時間がかかる。午前中から始めて休憩を挟みながら18時頃まで続く長丁場だ。

 時計の針が18時を指すころには、記者はヘトヘトになっていた。自身が就活生だった頃を振り返ると、合同説明会では1日5社が限界だった。今回は17社もあるにも関わらず、大半の参加者は企業の人事担当者の話に耳を傾け、最後まで積極的に質問していた。

ネオキャリアのブース。企業の担当者の話に耳を傾ける参加者たち。質疑応答の時間には、給与や勤務時間など具体的な質問も飛び出した

 特に印象的だったのは、取材3日目に話を聞いた女性参加者だ。長野から来たという20歳だが、2歳と1歳の子を抱える2児の母だという。中学卒業後、東京の美容専門学校に3年間通った。妊娠したため故郷の長野へ戻り、現在は子育てをしながら暮らす。

 「子どもができてから3年間専業主婦だったんです。でもこのまま何のキャリアもないまま、というのが嫌でした」。そう語る彼女は、1冊のファイルを見せてくれた。「子どもがいる前で作業すると紙をびりびりに破くので、子どもが寝てからひっそりと」。彼女はイベントに参加する前、企業説明会に参加する17社についてすべて調べて紙に書き、ファイルにまとめていた。

 「この5日間は子どもを母に預けています。子どもを置いてきたからには、やっぱりここで何か掴んで帰りたい」と語るその顔は、人生経験もあるのだろうか、実年齢よりもはるかに大人びて見えた。

女性が見せてくれたファイル。17社すべてを調べ、各社数ページずつまとめた