様々な点で優位性が崩れる中、テレビ各局は新しい姿を模索している。そこでひとつのヒントとなるのが、福田氏が手掛けるテレ東の選挙特番だ。

 テレビ局には長年にわたり映像コンテンツを作り続けてきたノウハウと経験がある。それらを活用すれば、ネット事業者には真似できないような質の高いコンテンツを作り出すことができる。

 今回の参院選でそれを象徴するようなある出来事があった。

小沢一郎代表に再婚の質問は「NG」

 ニコニコ動画などネットメディア10社が共催した「ネット党首討論」で、司会を務めた社会学者の古市憲寿氏が、生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表に「再婚相手は見つかったのか」と質問した。それに対し、小沢代表は「今日のテーマと関係ない」と猛抗議。古市氏がその後、謝罪に追い込まれる場面があった。

 一見すると池上氏の鋭い質問と似ているようだが、福田氏は「まったく違う」と指摘する。

池上彰氏は情報性が高く質の良い質問しかしない

 「あれは情報性が低く、意味がない質問。自民党の幹事長や野党第一党の党首に聞くならまだ分かる。将来の首相夫人、ファーストレディーになるかもしれない可能性があるから。だが、今の小沢代表に聞くのは下世話以外の何物でもない。だから我々はあのような質問はテレビで絶対にしません」

 「池上さんは今回の特番で、自民党の片山さつきさんに対し、元夫の舛添要一前東京知事について質問した。政治資金で問題になっていた舛添さんを『せこさや細かいところは全然変わらない』と批判していた点について、自身の選挙にプラスかマイナスのどちらに働くと考えているのか。その真意を知りたかったからです。これはプライバシーに近い話でも、情報性が高い質問だと考えました」