ひと月前の話で恐縮だが、夏休み、パリへ1週間旅行した。中心部のホテルにチェックインして、部屋に入って「あっ」と思わず声をあげてしまった。その2カ月前に取材した、アレが客室に鎮座していたからだ。

客室に置かれていた使い放題のスマホ、使い勝手は……

 それは客室に備え付けの使い放題スマートフォン「handy」だ。香港のMango International Groupが世界10カ国以上で展開するサービスで、宿泊客はスマホを外に持ち出して、追加料金なく電話やデータ通信を楽しめる。

「カードキー以来の衝撃」

 日本ではhandyジャパンが今年、サービスを始め、7月からロイヤルパークホテル(東京・中央)などが導入を決めた。ホテルからかける電話が無料になり、データ通信も無制限。同ホテルの責任者は「ホテル歴30年のキャリアで、カードキー以来の衝撃」とhandyを称していた。

 handyは、導入する宿泊施設側がレンタル料金を支払う仕組みだ。日本では1室当たり月980円(税抜き)で「1日当たり33円、水より安い」(handyジャパン)。レンタル料に加え、飲食店や商業施設などからの広告が同社の収入源だ。

 「旅行しているときは消費が多い。三食食べる、動く、お土産を買う。必ずお金が動く」とhandyジャパンの勝瀬博則CEO(最高経営責任者)は指摘する。既に香港ではレンタル料より広告収入が上回っているという。

 6月に取材した際、「持ち出せて、使い放題のスマホは確かに衝撃だ」と感じたのを覚えている。ただ、その発表会以来、特に旅行する機会もなく、国内出張でもお目にかかることがなかったので、頭の中からは消えていた。

 せっかくパリで出会ったので使ってみようと操作を試みる。

パリといえばエッフェル塔