端末存続は「通信技術」が目的

 日本勢がスマホ事業を続ける理由は、ブランド知名度の向上だけではない。

 「通信技術のノウハウを磨くことが端末事業を続ける意義だと思っている」

 京セラの山口悟郎社長は以前、日経ビジネスのインタビューでこのように発言している。年13億台を超えるスマホ市場において、年販売台数1200万台前後の京セラのシェアは微々たるものに過ぎない。しかし、山口社長は台数を多く販売することがスマホ事業継続の狙いではないと明言する。

 「今後Internet of Things(モノのインターネット)が広がっていくと、身の回りの様々なものに通信機能がついていく。通信会社の認証取得のプロセスやどの機能を通信側に盛り込まないといけないのかなどは、単なる部品メーカーでは分からない。端末事業を手掛けているからこそ、スムーズに理解できる」(山口社長)

 各社モバイル事業の細かい利益は明らかにしていないが、汎用化が進むスマホ事業で大きな利益を生み出すことはもはや難しい状況になっている。市場シェアの数字だけ見れば日本勢の存在感は薄れてしまったものの、次の購買層獲得やIoTなどの次世代を見据えながら各社スマホ事業の成長戦略を描いている。かつてのスマホの王者、アップルにも焦りの色が滲む中、日本メーカーは思い描いたように事業を継続させることができるだろうか。アップルやサムスンなどの大手に目が行きがちだが、日本勢の今後の動きにも注目していきたい。