米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone7」の発売が9月16日に決まった。例年同様米サンフランシスコでは華やかな発表会が開催されたが、スマホ市場を取り巻く環境は昨年以上に厳しくなっている。先進国では既に市場は成熟化、成長余地の大きい新興国でも中華メーカーが安価な端末でシェアを伸ばしている。今回の新iPhoneは、売れ行きによってはアップルの神通力の衰えが鮮明に現れかねない。

 スマホ市場は現在、韓国のサムスン電子とアップルがシェア争いをしており、中華メーカーがその後ろを猛追している。2015年の世界スマホ出荷台数では、中国の華為技術(ファーウェイ)の伸び率がアップルの2倍以上となるほか、「OPPO」や「vivo」などの新興メーカーも成長している。今後、新興国を舞台にスマホメーカー間の競争がより激しくなることは必至だ。

トップ10圏外の日本スマホ勢

 そんなスマホの世界市場において、今やすっかりと影が薄くなってしまった日本電機メーカー。米TrendForceの調査によると、2015年のスマホシェア上位10社に日本メーカーの名前は一つもない。2014年は3.9%のシェアを獲得し8位だったソニーも、今では10位圏外だ。

 携帯事業の撤退や淘汰が進んだが、現在も日本勢では、シャープ、ソニー、京セラ、富士通などが世界でスマホ事業を手掛けている。

 これらの企業を取材をする際、「スマホ事業はいつまで続けるのですか」と聞いたことが、少なからず一度はある。苦笑いをされながら「いや、キツイですけどやっぱりスマホは手放せないんです」と回答されることが多い。取材をするなかで感じるのは、電機メーカーにとって「スマホ」とは、どんなに市場環境が厳しく売り上げ規模が小さくても、続けていることに意味がある商品なのだ。

 どんな意味があるのか。その解の一つは、パナソニックの動きに顕著に表れている。2013年にスマホ事業から一度撤退した同社は今、インドを拠点にスマホ復活の狼煙を挙げている。