親子らしき女性2人連れも目立つ

ファッションだけでなく、化粧品やヘアサロンなどの店舗も充実

 全体の店舗数は84と、商業施設としては必ずしも多いわけではない。だが、溝口執行役は「大きければ良いというわけではなく、あくまで使い勝手や居心地が良い空間作りを目指した」と説明する。

 こうした店舗のコンセプトが支持されているのは、何よりも来店している客層が如実に示していた。10~20代の若者も見かけるものの、それ以上に熟年カップルや家族連れが目立つ。さらに、20代と50代ぐらいの親子らしき女性2人連れなど、渋谷パルコなどではあまりお目にかからない組み合わせも多かった。

 この日仙台パルコ2を初めて訪れたという32歳の女性は「魅力的なショップが多く、センスの良さを感じる。働く女性らが何度も来店したいと思えるような店になっている」と好印象。さらに6~9階はTOHOシネマズが9スクリーン、計約1700席というシネマコンプレックスを出しており、カップルや家族連れが食事、買い物、娯楽をまとめて楽しめる作りにすることで、リピーターを積極的に確保しようという狙いが明確にある。

だし・調味料の老舗として知られる「茅乃舎」も出店した

 開業2か月近くが経っても客足が衰えず、順調な滑り出しを見せた仙台パルコ2。パルコは今後も都市の特性や消費のトレンドを見ながら、大人向け店舗の展開を強化していく方針だ。次の大型開発となるのが、親会社のJ・フロントリテイリングが2017年秋に開業を目指す東京・上野の松坂屋上野店南館の再開発。地上23階建ての複合施設となる計画で、パルコは1~6階に入居する。2012年にJフロントのグループ入りしてから、店舗開発での初の本格的な連携となる。

 詳細はまだ決まっていないが、この上野の再開発店舗でもパルコは仙台と同様に若者以外の層を積極的に取り込めるコンセプトの店作りを進める方針。溝口執行役は「地域性や複合施設における我々の役割を考えた時に、様々なことが想定できる。仙台で今実験的に手掛けていることを活かしていきたい」と強調する。

 30歳を過ぎてから渋谷パルコなどではどことなく居心地の悪さを感じていた記者だが、仙台パルコでは1日中でも滞在してゆったりした時間を過ごせそうだと感じた。大人向けの文化発信拠点として輝くためにも、まずは1年目の大成功が必要な条件となりそうだ。