2018年6月18日に発生した大阪北部地震は、大阪府高槻市や茨木市などで最大震度6弱を記録。死者5人、負傷者361人の人的被害を出したほか、各地で物的被害をもたらした。17万戸の停電や8万6000戸の断水、鉄道運休のために徒歩による帰宅を強いられるなど、生活面でも大きな影響があった。中でも大きな被害を受けたのは都市ガスだ。その復旧の現場には、見慣れない東京電力など他地域の担当者の姿があった。

大きな揺れが大阪北部を襲った(大阪モノレール提供)

 各インフラの影響をざっと振り返ると、停電は即日解消され、水道の断水も19日には解消、鉄道各線もおおよそ翌日には通常運行に戻るなど、インフラの強さも見せつけた。その一方で、都市ガスは供給停止の影響を受けたのは11万戸で、復旧に1週間の期間を要した。

 同86万戸、85日を要した阪神淡路大震災と比較すると単純比較はできないものの、影響を受けた戸数や復旧日数は減っている。これは、大阪ガスが阪神淡路大震災で大きな被害を受けた教訓からインフラの見直しを図ったためだ。具体的には地中に埋設するガス管を伸縮性のある切れにくいものにしたり、張り巡らせたガス管の網を地域ごとに細かくブロックに分けたりすることである。ある場所が被害を受けて破損しても、被害の範囲を最小限にする仕組みになっている。実際に大阪ガスのガス管で伸縮性のあるものは阪神淡路大震災当時に全長1200キロメートルだったが、今回は1万5900キロメートル、ブロック数も55から164と細分化されている。

他地域で初めての復旧作業

 とはいえ、地中が揺さぶられる地震だけに、被害はゼロにはできない。復旧も破損した管を掘り起こして取り換えるなど、どうしても時間がかかってしまう面がある。こんな場合、できるだけ復旧までの時間を短くするために、他の地域のガス事業者が応援に駆け付ける仕組みがあるのはご存じだろうか。今回も東京ガスや中部地域の都市ガス事業者である東邦ガスなど、各地域から計2700名の応援があった。あまり知られていないが、その中に初めて他地域の応援で復旧作業に携わる“新顔”企業の担当者がいた。その企業は、東京電力エナジーパートナー(東電EP)とニチガスである。

 東電EPとニチガスは17年4月から始まったガス小売り自由化に伴い、関東でガス販売事業に乗り出した。それに伴い、こうした有事の際には東京ガスと復旧対応で連携する仕組みになっている。今回も日本ガス協会から東京ガス、東京ガスから両社へと応援要請があった。