地方観光の課題は交通手段

 問題はそうした観光地を巡る足だ。外国の個人観光客の足はなんといっても鉄道と高速バスだ。城崎温泉はJR西日本山陰本線の城崎温泉駅から10分程度で中心地まで歩けるのでアクセスがいい。ほかには関西の海水浴場として人気が高い竹野浜海水浴場が山陰本線の竹野駅から徒歩20分。夏のシーズンに20分も歩くのはかなり大変だが、なんとか行けないことはない。実際、現地では外国人の姿を目にする。

8月、竹野浜海水浴場を訪れたイタリア人のデニスさん親子。「日本の夏は蒸し暑くて観光には向かないと思っていたが、とても美しい海岸に感動している」と話す

 必要になるのは豊岡市と京丹後市の観光地に特化した現地発の観光ツアーだ。その商品開発のために豊岡観光イノベーションでは外国人を対象としてモニターツアーを実施している。今年4月にはエイチ・アイ・エスと組んでタイ人を対象としたバンコクからの3泊6日ツアーを企画した。

 さらには山間地を探索するなど体験ツアーも地域のガイドと連携して開始している。

 こうした取り組みはまだ緒に就いたばかり。大きな集客が見込めないことからこれまでは大手旅行代理店が手がけてこなかった分野だ。ブルーオーシャンではあるが大がかりにはできない。現地ツアーの必要性は観光業界では声高に叫ばれているが、現実的には儲けを出すのが難しいと言われている。

 地域の人材を改めて発掘し、外部からも人材を結集する。ツアーのマッチングサイトを利用するなどして他地域に先駆けて現地ツアーを強化できた観光地のみが、今後も増加が見込まれるインバウンド消費の恩恵にあずかれるだろう。