会長の背後にずらりと幹部が並んだ勝久氏の記者会見

 思い起こせば創業者でもある父、勝久氏との壮絶な公開親子喧嘩の幕が開いたのが3年半前。2015年の2月25日にまず、会員制を維持するかどうかという経営方針の違いから久美子氏により社長を解任されたと主張する勝久会長(当時)が、久美子社長の退任を求める株主提案について記者会見した。会見では勝久会長の後ろに幹部社員がずらりと立ち並ぶというこれまで見たことのない異様な雰囲気だった。勝久会長はこれだけの幹部社員が私の味方についているというアピールをしたかったのだろう。実際、会見直前の控室で、勝久氏と幹部らは結束を示す血判状を机に置き、手を重ね合わせ「頑張るぞ!」と気合を入れていた。

 だがテレビカメラの放列の前に顔をさらすことになった幹部社員を見ながら、私は「これで勝久氏側が経営権争奪に負けたら、彼らは大塚家具を辞めるか、残っても左遷は確実だろうな」と彼らの将来が気になってしょうがなかった。結局、勝久氏側は負けたわけだが、その後に勝久氏が匠大塚という別会社を作り、自分についてくる社員の受け皿をきちんと整えたことにはほっとした記憶がある。

 いずれにしろ「これまで仕事はほとんど失敗なくやってきたが、久美子を社長にしたことが失敗」という勝久氏に対し、翌26日、久美子社長も記者会見を開き反論した。幹部社員を並ばせた前日の実父の記者会見を「このような演出に社員を巻き込んで申し訳なく思う」と批判したのだ。まあこうした感情論も含んだ言い合いはさておき、26日の会見を今、思い起こすと久美子氏の誤算は際立つ。