2016年、都内で中古家具販売業について記者会見する大塚久美子社長。大塚家具を新しい方向に導こうとしたが、業績は下降。存続も危ぶまれる状況に。(写真=Pasya/アフロ)

 酷暑の8月14日。大塚家具では世間が注目するなか取締役会が開かれていた。この日は2018年1~6月期の決算取締役会だったが、同時に事実上の身売り先ともされるスポンサーを決定するのではないか、とみられていたからだ。結局のところ、この日にスポンサーが決定、公表されることはなかった。

 じつは取締役会の意見は2つに割れていてまとまっていなかった。これまで数十社にスポンサーを断られ、取締役会開催時点でまともに残っているスポンサー候補は資本提携している賃会議室運営のティーケーピー(TKP)と台湾企業の2社しか事実上なかったとみられる。そして久美子社長は台湾企業を推し、残りの多くの役員はTKPを推したようだ。交渉関係者によると焦点の一つは久美子社長の処遇。台湾企業の方が久美子社長にとって甘い案を出していたのは想像に難くない。

 そもそも久美子社長の処遇はスポンサーを決めるうえで最大のハードルになっていた。交渉の過程で多くのスポンサー候補は経営責任を問うため久美子社長の退陣と100%減資を求めたが、久美子社長がそれを飲まなかったとされる。スポンサー交渉に携わった関係者の1人は「権力欲は感じないが、とにかくもう自分のメンツを守ろうというか、意地ですよね」と久美子社長の頑なな姿勢にため息をつく。実際のところ、そうした意地を張っているだけなのか、本当にここから立ち直らせる自信があるから続投を希望するのかは久美子社長自身に聞かなければわからないが、少なくとも周りからそう思われているのは事実だ。