何事にもサイクルがあるし、組織の結果は人間同士の複雑な生態系が生み出した結果。トップにはもちろん責任はあるが、全てを彼らの責任と単純化すると本質を見誤る。しかし、日本のトップは言い訳をしない。だって、格好悪いから。

 小倉監督は「自分の力のなさでこのような結果になり、申し訳ない」と優等生的な回答しかしない。しかし、それでは分からない。なぜ常勝チームだったグランパスが弱くなったのか。もっと最後に、教えて欲しい。小倉監督の手腕以外にも色々と理由があるはずだ。「分かる人には分かる」では最後まで分からないままだ。

潔さは美徳なのか

ソニー・ストリンガー前CEOは英国出身。2012年退任時に、自身の経営手腕以外にも低迷の理由があると指摘した。言い訳ではなく、後任へ残したメッセージとも捉えることが出来る(写真=ロイター/アフロ)

 ソニーのハワード・ストリンガー前CEOは、2012年の退任会見で低迷する業績について「確かに間違いも犯したが、それはソニーだけではない。電機メーカーの決算発表をみると日本の電機産業に大きな問題があり、社会全体としての対応が必要だ」と話した。

 ジャパニーズスタイルで判断すれば完全に言い訳だ。だが、当時の電機業界で構造改革が遅れていたことや、円高で企業業績が圧迫されていたことは確か。それをソニーのトップが言葉にした事で、より問題意識が明確にされたはずだ。だからソニーは今、ようやく長いトンネルを抜け出そうとしているとも考えられる。

 電撃解任された経営者や監督が、下を向いて反省の弁を話すのはもう十分だ。「本当に俺だけが悪いのか。この組織を巡っては、いや社会を巡って色々解決しなくちゃいけない問題がある」と大きな声で言えば良い。その方が、後になって素直に話し合える時もある。言い訳したっていいじゃない、人間だもの。