8月初旬、大企業からスタートアップに巨額のマネーが投じられた。

 KDDIは2日、IoT関連スタートアップのソラコム(東京都世田谷区)を約200億円で買収すると発表した。

 2014年11月に設立された同社は、あらゆるモノがネットにつながるIoTの安価な通信サービスを2015年から提供し、顧客は中小企業を中心に7000社ほどに上る。創業わずか3年のスタートアップに、およそ200億円の企業価値がついた。

 その2日後にはトヨタ自動車が人工知能(AI)開発のプリファード・ネットワークス(東京都千代田区)に約105億円を追加出資すると発表。両社は2014年から自動運転技術に関する共同研究を始め、2015年にはトヨタがプリファードに約10億円を出資していた。今回の追加出資で、研究開発を加速する。 

 プリファードの実力は世界的にも評価されている。トヨタがシリコンバレーに持つAI技術子会社のCEO(最高経営責任者)に招いたギル・プラットCEO。米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)プログラム・マネージャーの経歴を持つロボット界の大物である同氏もプリファードの技術力に一目置く。

 

 日経ビジネスは7月3日号の特集「失敗しないスタートアップ」で、日本のスタートアップがベンチャーキャピタル(VC)などの投資家ではなく、大企業との関わり合いの中で成長する点に焦点を当てた。今回出資を受けたスタートアップ2社は特集でも取り上げており、大企業とスタートアップの関係性を示す好例と言える。