起業家の相談に応える組織も

 

 起業支援において大事なのは、失敗の経験だろう。それを体現している組織がある。日本スタートアップ支援協会の岡隆宏代表理事は、起業を巡る自身の失敗を支援に活かしている。

 岡代表理事は学生ベンチャーからスタートし、多くの事業に失敗してきたという。例えば、レンタルビデオ事業や玩具雑貨の受託製造事業などがとん挫し、様々な辛酸をなめた。

 衣料品のインターネット通販事業が成長し、創業した夢展望は2013年に上場を果たした。しかし、上場準備から上場まで8年かかり、「多くの回り道をしてしまった」と振り返る。

 そこで、こうした失敗の経験を起業家たちに還元したいと考え、2016年に日本スタートアップ支援協会を立ち上げた。趣旨に賛同した経営者が顧問となり、多くの起業家が集まってきている。

 上場企業の経営者35人がメンター役の顧問に名を連ねており、東京と大阪で100人単位のランチ交流会のほか、様々なテーマで少人数セミナーを開催している。会員である企業は46社に上り、その中には近く上場を予定している企業もあるという。

 同協会の顧問であるC Channel代表取締役の森川亮氏は、日経産業新聞のコラムで同協会をこう紹介している。「起業家は孤独です。特に若い起業家は投資家やパートナーにも相談できないような悩みや課題を抱えていることがよくあります。そうした人たちを側面から支える団体も生まれています」。

 岡代表理事は、「日本では実際の失敗経験を基に、起業家が相談できるような場は少ない」と指摘する。

 スタートアップについては、多産多死の中から強靭な企業が生まれると言われる。米国で有望なスタートアップが生まれる背景には、多くの失敗経験の蓄積がある。

 日本のスタートアップがさらに存在感を高めていくためには、まだまだ失敗が足りないのかもしれない。

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