第三のビールのシェア首位はキリンビールからアサヒビールに変わった
2016年1~6月シェア 2017年1~6月シェア
アサヒビール 29.3 30.9
キリンビール 30.8 29.4
サッポロビール 10.5 10
サントリービール 28.5 28.8
  単位:%

 実はキリンがシェアを落とすのは想定の範囲内だった。キリンは1月からビール類の販売促進費を圧縮し、ビール事業の収益力改善に力を入れている。キリンホールディングスは「上期は1月からガイドラインの改定を試み、5月ぐらいまでは他社と価格差があった」と指摘する。店頭価格上昇によるキリン商品の消費者離れは懸念されていた。

 しかし、ふたを開けてみるとキリンが今期のシェアで数字を落としたのは、第三のビールのみで、ビールは横ばい、発泡酒はシェアを増加させていた。反対にビールでシェアを落としたのはアサヒとサントリービールだった。では、なぜキリンは第三のビールで1.4ポイントもシェアを落としてしまったのか。販売促進費の圧縮による価格上昇だけが原因なのか。その答えとなる可能性の1つを、休日に遊びに行った友人宅で発見した。

カギはネット通販

 「旦那が毎日飲むから、ネット通販で箱買いしてるの」。友人が指差す先にあるのは、キッチンの片隅に置かれたアサヒの第三のビール「クリアアサヒ 贅沢ゼロ」の24缶入りのダンボール。麦の使用量を増やしつつ、糖質をゼロにした第三のビールで、健康を気にして毎日飲む銘柄に決めているそうだ。共働きで忙しく、毎日飲むものを買いに行くのは大変と、ネット通販で定期的に購入しているという。

 共働きの世代が増える中で、買い物にかける時間を短縮したいというニーズは高まっている。7月31日号の特集「もう迷わせない!消費多様化の終わり」でも取り上げたように、消費者は商品を選ぶという行為に疲れ始め、一度気に入った商品が見つかれば、少し高い値段でもリピート買いするという消費者は増え始めている。さらに玄関先まで届けてくれるのであれば、記者の友人夫妻のように安い値段を求めてスーパーに出向くのではなく、ネット通販で購入する人はより一層増えるだろう。