「コバンザメ作戦」でパーク24を猛追

 ある程度の台数が停められることが条件となるタイムズに比べ、1台からでも契約ができることも強みだ。「タイムズがある場所は狙い目。需要があることの裏返しだからです。一方で、1台単位の駐車場はパーク24は獲得できない。『コバンザメ作戦』で、その近くに開設することは一番手っ取り早い方法です」(金谷社長)。アキッパの営業担当には、パーク24出身の社員もいるという。

 台数の制限や需給のコントロールなどがタイムズに比べて自由がきくという意味で、タイムズとは違うスキームで同社を猛追するアキッパ。こうして獲得した6000カ所をスマートフォンから簡単に予約できるという世界を切り拓いた。「すでに、甲子園球場の周りでは、駐車場の予約がかなり『普通』になってきています」(金谷社長)。

 数では勝るパーク24も、駐車場予約、駐車場の貸し手と借り主を直接マッチングさせる、という2点においては、完全に後塵を拝していた。8月26日から開始する「B-Times(ビータイムズ)」でどれくらい巻き返しを図れるかは、大手といえども未知数だ。タイムズ周辺を時間をかけて開拓してきたアキッパの先行者利益は小さくない。「駐車場予約」「CtoC」という新たな駐車場サービスで新規参入を果たしたアキッパが、パーク24と肩を並べることになるということも現実味を帯びてきた。

 ちょうど1年ほど前、パーク24の西川光一社長に取材したときに、こんなことを言っていたのを思い出した。「この業界は想像がつかないほど供給が足りていない業界。参入障壁もかなり低いので、もっと群雄割拠になってもいい業界のはずなんですけどね」。トップの余裕とも言えるその言葉に、当時、記者もなぜ競合が多くないのだろうかと頭を悩ませていた。そして今、ようやくそのパーク24を脅かす競合が出てきたともいえるかもしれない。

 アキッパは現在、企業との連携を強化している最中だ。7月14日には京浜電鉄と提携し、同社が所有・運営する月極駐車場の空きスペースをアキッパを通じて貸し出しを行う。そのほかにもレストランやマンションデベロッパー、不動産などと次々と提携し、駐車場数の拡大をしている。

 アキッパはこのまま駐車場運営会社になるつもりはない。「クルマ周辺事業にはまだまだ参入余地はあると思っている」(金谷社長)と鼻息は荒い。

 規模を持った既存のサービスを「スマホファースト」で攻めることで凌駕した例は少なくない。それはヤフーニュースに対するスマートニュースであり、ヤフーオークションに対するメルカリであり、枚挙にいとまがない。アキッパもまた、駐車場やクルマ業界の勢力地図をガラリと変えるポテンシャルを持っている。