クラウドで通訳の活用も容易に

 外国語が苦手な人間にとっては外国人向けの文章を作ることも簡単なことではない。グーグル翻訳などを使って、とりあえず文章を作ることができるが、問題はその文章が本当に外国人に通じる正しい文章か分からないことだ。そうした外国語による文章作成に便利なのが八楽(東京都渋谷区)の提供する「ヤラクゼン」だ。

 同サービスでは日本語を入力すると、無料だと英語など8言語(有料サービスだと21言語)に自動的に翻訳ができる。特徴は入力した文章が外国語に機械翻訳されたのち、その文章が正しい文章になっているかが文章(画像では英文)の左に青、黄、赤の3段階表示されること。青い部分は過去にユーザーが正しい文章として保存したものやヤラクゼンが用意している380万の「コーパス」と呼ばれる翻訳データと一致している部分で正しく翻訳されたと考えてよい部分だ。黄色で表示されている部分は過去のデータと半分以上は一致しており、それ以下は赤字で表示される。黄色や赤色で表示された文章だけ手直ししたり、同僚の英語が得意な人に直してもらったり、有料で通訳に翻訳してもらうこともできる。

 機械翻訳で可能な部分の作業を済ませて、必要に応じて有料の翻訳サービスを活用できることが同サービスの特徴だ。

日本語の議事録を英語に変換した例。英文の左に黄色や赤色が表示された部分だけ修正すれば、議事録の英文化作業が済む。翻訳した文章を保存していくことで、文章の正答率は上がっていく

 通訳には3段階あり、専門分野の翻訳家に依頼する「プロ翻訳」とクラウドを活用する翻訳には翻訳者の習熟度のレベルに応じて「ビジネス」と「スタンダード」の2種類がある。価格は英語への翻訳の場合で1文字15円、10円、6円の順だ。クラウド翻訳は提携会社に登録する全世界で4万人のスタッフたちの中から手の空いている人が早い者勝ちで翻訳をする仕組みで、「200文字くらいの簡単な英語の回答例などなら1200円くらいから作れる」(八楽の湊幹取締役COO)。本格的な通訳に頼むよりもかなり安く敷居が低い。

 エンターテインメント美術館「河口湖オルゴールの森」では、近郊にある富士山が世界遺産になってから東南アジアを中心に外国人客が急増し、全体の30~40%を占めるほどになっている。そこで、ヤラクゼンのクラウド翻訳を使って園内の案内図やチラシなどを英語、中国語、タイ語の3カ国語に翻訳している。「特に便利なのは3カ国語に訳す作業が24時間以内に終わること」(副支配人の堀内正一氏)。英語だけでなく中国語やタイ語でも案内できることで、以前に比べて外国人客から喜ばれていることを実感している。
 外国語が使えなくても様々なツールを活用すれば、外国人をもてなすことができる。そうした経験を積んで自信を付けることができれば、日本人の外国語への苦手意識も減り、より外国人にとって魅力的な国になれるのではないかと感じている。

日本語だけでなく英語や中国語にも対応した園内の案内文を作成。別途、タイ語の案内文もある。多言語に対応することで、顧客満足度が向上した