ミラーがないことにはすぐに慣れたが…

 システムによってモニターの明暗を最適化し、太陽や後方車両のハイビームのまぶしさをコントロールすることもできる。

 ミラーがなくなることで、空気抵抗を小さくすることができるのもメリットだ。同社シャシー&セーフティー部門先進技術部の責任者を務めるアルフレッド・エッカート氏は、「燃料消費量が減ることに加えて、高速走行時の風切り音も小さくなる」と話す。

 ここまでは、試乗しなくても理解できること。これらのメリットに加えて、記者は実際に試乗してみて、もう一つのすごさを体感した。

 「まずは乗ってみてよ」

 開発担当者にそう言われて、早速、左ハンドルのドライバー席に座った。一通りの説明を受けた後で、実際にフランクフルト市内を走ってみた(ドイツはジュネーブ条約加盟国ではないが、日本で発行する「国外運転免許証」を携帯すれば公道を運転することができる)。

左ハンドルのドライバー席から外を見た様子

 運転を始めると、すぐに“通常ならミラーがある位置”を見てしまったが、ものの数分で慣れた。少し慣れるのに時間が掛かったのは、後続車両との距離感だ。ミラーならどのくらい離れているのか、経験で分かるが、画像なのでなかなか感覚がつかめなかった。記者の場合、10分ほど運転してようやく慣れてきた。

 試作車のモニターには、後方車両をカメラが認識し、距離によって緑色、赤色の二色で示される。緑色は距離が確保できているため、レーンチェンジなどで問題にならないクルマ。赤色は距離が近いため注意が必要なクルマ。また、それぞれのクルマまでの距離が数字で10m、20mといったように表示される(現状では乗用車のみ。トラックは表示されない)。

運転中のモニターの様子。距離が近いクルマは赤色で示される。白線を認識していることも分かる