テスラは英語で「Autopilot」という単語を使って、自動運転モードを売り込んでいる。Autoが「自動」、pilotは「操縦」だから、日本語の「自動運転」という語感ともほぼ一致している。

 モデルSのウェブサイトを開いても、自動運転機能は「Autopilot」との見出しで紹介されている。運転手がハンドルを握っていなければならない、といった注意は見当たらない。これでは、運転手がテスラの自動運転機能を過信するのも仕方がないのではないか。

テスラが「モデルS」を紹介するウェブサイト。事故から約2ヶ月が経過した7月時点でも「Autopilot」(自動運転)との見出しが躍っている

 自動運転は、ここ数年で急速に注目が集まり始めた技術だ。その定義は、各社・各車種によって様々。自動運転と聞くと、どんな道路でもコンピューターに運転の全てを委ねられるようなイメージを抱くが、実際には「高速道路の同一車線上に限定する」といった制約がある場合も多い。

一歩間違えば人が死ぬのがクルマ

 一歩間違えば人が死ぬ――。自動車はリスクのつきまとう工業製品だ。機能と、その限界に関する説明には、メーカーとして最大限の注意を払うべきではないか。

 同じ文脈で、筆者には以前から気になっていたことがある。自動運転より一足早く世間に定着した感のある自動ブレーキについてだ。こちらはテスラの一件と違って、日本の消費者の安全に直接影響する。

 問題は、ひとくちに「自動ブレーキ」といっても、メーカーによって名称から機能まで、かなりのバラツキがあるという点だ。少し長くなってしまうが、主要メーカーの自動ブレーキを比べてみよう。