Dan Kitwood/Getty Images/Cancer Research UK

 無料通信アプリのLINEが上場し、「ポケモンGO(ゴー)」が驚異的な人気を集める任天堂の株価は7月に入り2倍に跳ね上がった。ITやゲームと言った個人投資家好みの株銘柄が盛り上がりを演じている反面、その他の新興・中小市場は今ひとつ元気に欠ける。特に、この春までは「プチバブル」と呼ばれるほど株高局面にあったバイオベンチャー株では大幅な株価下落が目立つ。日本株全体が軟調な中、「夢の新薬」への期待先行で人気を博してきたが、ここにきて事業リスクの高さ、情報開示の不透明さが改めて意識され始めている。

 19日には東証マザーズ指数先物が上場した。マザーズ市場に上場する銘柄全体の値動きに連動し、新興市場での取引促進への期待が持たれた。ところが、上場当日のマザーズ市場全体の売買代金は1100億円強と任天堂1銘柄の6分の1に沈み、期待は大きく外れることとなった。爆発的なポケモンGOブームを引き起こした任天堂株に投資家が関心を寄せるのは当然だが、最近の新興株へウンザリしたという本音も一部にはある。

報われない出世払い

 特に投資家の失望を誘ったのは最近のバイオベンチャー株。今年の梅雨時はストップ安の雨嵐だった。まずは、創薬ベンチャーのアキュセラ・インク。5月後半、網膜の障害を防ぐ作用があるとされ期待された治療薬候補が、臨床試験の最終段階で有効性を確認できなかったと発表。その後5日連続ストップ安で株価が5分の1まで縮小した。

 アキュセラ株を巡っては、試験結果を発表する前日の5月25日午後に、突然大きな売り注文が発生。日本取引所グループ自主規制法人が何らかのインサイダー取引の可能性があるとして調査を開始する事態に発展した。市場では様々な憶測が流れ、情報開示に対する新興市場での管理の甘さが指摘されていた。

 そして畳みかけるように、7月5日にはアンジェスMGが臨床試験中だったアトピー性皮膚炎治療薬の効果が確認できないと発表し、翌営業日から2日連続でストップ安となった。バイオ銘柄に対しては失望と不信、さらに失望が重なり投資家心理は冷え込んでいる。