投票締め切りの午後8時、支援者らは食い入るように事務所のテレビを見つめる。すぐに東京選挙区6議席のうち、4議席の当確が出た。朝日氏はそこには入っていない。焦る陣営だが、その後に現状5番手の得票であることが報じられると、「(ボーダーラインの)6位争いでないなら安心だ」など大きな歓声があがった。「手のひらを前に向けないで両手を挙げてくださいね」。勝ちを意識した陣営からは、万歳三唱のやり方が支援者にレクチャーされた。

 その後、8時15分ごろにTBSがいち早く朝日氏に当確を出すも陣営は無反応。どうもNHKの選挙速報を重視しているようだ。朝日氏の妻と子どもも事務所入り。子どもが無邪気にはしゃぐ様子に事務所内がなごむ。9時ごろに朝日氏も事務所へ到着。前には支援者が座っているので朝日氏の写真を撮ろうと少し立ち上がると、テレビカメラの担当者に激ギレされる。選挙会場だといつもテレビカメラの担当者は強気だ。

 到着した朝日氏は支援者とともに当確を待つ。9時40分にNHKが朝日氏に当確が出た。一気に盛り上がる会場。支援者から花束を受け取った朝日氏が当選のあいさつをしたあとに、先ほど練習した万歳三唱が繰り返された。

 ここからはテレビ各社のインタビューが始まる。会場を見回すと、テレビ朝日やTBSは有名な女子アナを投入していた。テレビ東京は小島瑠璃子氏、日テレはジャニーズの小山慶一郎氏と有名人が多く事務所を訪れた。その場で知人の民放関係者に理由を聞くと、「東京の参院選は地味な候補者ばかりなので、華のある候補者にはアナウンサーやキャスターを行かせるものだ」と教えてくれた。

 小島瑠璃子氏は事務所入り口でのリポートのみで、朝日氏とは池上彰氏と中継でのやり取りだった。池上氏の質問が何だったかは現場では分からなかったが、“池上無双”と呼ばれる鋭い質問を受けたのは分かった。中継後に朝日氏が苦笑しながら「池上さんにいじめられちゃったな」とつぶやいたのが印象的だった。調べると当選後に所属する委員会名が答えられず、厳しく突っ込まれたようだった。

 一通りテレビ局のインタビューが終了した後、新聞社によるカコミ取材が行われた。多く質問が出たのは「改憲」について。朝日氏は「党の方針に従う」「まだ議員になっていないので改憲の議論をしたことがなく、答えられない」と正面から答えなかった。不安を感じさせたが、60万票を超える都民の票を獲得したことは事実。6年の任期を進歩なく過ごすのか、政治家としてしっかり活動していくのか、今後もチェックしていきたい。

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