課題が見つかれば強みに繋がる

 もちろん実験的な取り組みなだけに課題もある。記者が訪ねた時間帯によるかもしれないが、例えばソロワークスペースをしている社員はあまり多くなく、まだ活用しきれていなかった印象だ。グループアドレスになった代わりに社員の場所は検索できる、とはいえ、やはり慣れないということでホワイトボードを使い、物理的に居場所を示している部署もあった。

いつでも自由に使える会議スペースが多く用意されている

 「どこでも働けるようになった分、同じ部署内でのコミュニケーションは減った」と話す社員もいる。こうした課題には、その度にレイアウトや制度を見直し、試行錯誤しながら対応していく方針だ。

 三菱地所は、東京駅周辺で高さ390メートルの超高層タワーを含む大規模複合再開発プロジェクトを進めている。もちろん多くの企業がオフィスとして利用することも見込んでいる。全ての施設が竣工するのは約10年後。それまでに働き方のニーズはまた変化していく。その都度、同社も自らが実験台となってオフィスのあり方を追求していくことになる。うまくいっている部分も課題を残す部分も、自分達で経験したことをもとに顧客にオフィスを提供できるのは大きな強みになるだろう。