味の素、旭硝子、日東電工…異業種が“製薬企業”に

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 調査会社のシード・プランニングによると、2010年に34.1億ドルだったバイオ医薬品の受託製造市場は、2015年に41.4億ドルと2割増加。2020年には57.2億ドルに達すると予測している。売り上げの大半は、独ベーリンガーインゲルハイム、スイス・ロンザ、オランダ・DSMバイオロジクスといった海外勢が占拠しているのが現状だが、日本勢も本腰を入れ始めた。

 例えば味の素は2013年3月、米国のバイオ医薬品受託開発・製造企業(CDMO)であるアルテア・テクノロジーズを約160億円で買収。00年から国内でCDMO事業を行っていた旭硝子は16年8月にCDMO大手のドイツ・バイオミーバを、12月には約600億円でデンマークのCMCバイオロジクスを買収した。また、富士フイルムは17年3月、既に取り組んでいたCDMO事業を独立させて新たな事業部を設立。米英の拠点に約140億円の設備投資を行うなどし、23年度に1000億円の売上を目指す。

 両社が買収したCDMOは、バイオ医薬品の製造だけでなく「開発」の機能も備えている。味の素はアルテア社の買収により、「ADC(抗体・薬物複合体)」の開発と製造受託に注力する考えだ。ADCとは、低分子化合物と、バイオ医薬品の一種である抗体医薬品をくっつける技術のこと。効果の高い低分子化合物を標的のがん細胞などに確実に届けられることから、“次世代のバイオ医薬品”と期待され、世界中で開発が加速している。