クラウドソーシング大手のクラウドワークスも6月から就業規則を改定し副業制度を解禁した。ロート製薬同様、本業に支障をきたさない範囲で自由に副業をしてもいいと言う。この4月から試験的に始めており、既に副業中の社員も複数いる。アニメーションの制作・演出・進行などを受注している社員のほか、「20代のビジネスパーソンを対象にワークショップを開く団体を運営し、月に1万~2万円程度の収入を得ている社員もいる」。こう話す広報部の稲増祐希さんも、6月中旬から西荻窪のコワーキングスペースで「朝カフェ」を経営する計画だ。
クラウドワークスの場合、副業の導入は社員のキャリアップだけでなく、「ドッグフーディング的な位置づけが大きい」(佐々木翔平CFO=最高財務責任者)。自社で開発した商品やサービスを自社の社員が実際に使って改良していくことを「ドッグフーディング(DogFooding)」と言う。クラウドワークスが提供するサービスは、企業がネットを仲介して個人に仕事を外注するクラウドソーシング。社員自らが自社のサービスに登録し、実際に外注した仕事をこなして収入を得ながら、サイトの使い勝手やサービス向上を図っていく考えだ。
副業のボーダーラインが曖昧に
まさに、こうしたクラウドソーシングやCtoC(個人間取引)サービスの拡大も、企業の副業解禁を後押しする背景につながっている。
記者は最近、「minne(ミンネ)」と呼ばれるサービスを多用している。ミンネとは、GMOインターネットグループのGMOペパボが2012年から運営する個人同士がハンドメードの商品を売買するサイト。現在22万人を超える作家が登録されており、手作りのアクセサリーや家具、お菓子など計276万点の作品を販売・展示している。
商品を出展する作家は、空き時間を有効活用したいと考える主婦などが多いが、たまに作家プロフィール欄に、「趣味でアクセサリーを作っていますが、普段はスーツで過ごしている会社員です」「本業があるため、注文が集中すると発送が遅くなります」などの文面を見かける。彼女たちが一体どれだけ稼いでいるかは分からないが、会社員が本業の傍ら雑貨を作り、販売し収入を得ていれば、それは立派な副業だ。
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