ローソン以外を見渡しても、コンビニ本部の経営トップは「キャラの立った」リーダーが多い。

 代表格はもちろん、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文名誉顧問。

 グループ会社に偏った品揃えなど、課題も多く指摘されるネットサービスの「オムニセブン」。加盟店への負担の大きさが指摘されるなか、それでも積極的に販促に生かそうとするオーナーに話を聞いたことがある。

 なぜ取り組むのか。同オーナーの答えは「鈴木会長(当時)がやると言うのだから、信じるしかない」だった。セブンイレブンは本部方針を各加盟店にくまなく伝え、実行させる徹底力が強みとされる。その源泉にあるのが、やはり経営トップの発信力なのだなと実感させられた。

セブンイレブン古屋社長(前列右から2番目)には、コンビニ叩き上げらしい落ち着きと、ある種の凄みがある(4月、セイノーホールディングスとの提携発表記者会見)

 現在のセブン-イレブン・ジャパンは、その鈴木名誉顧問も信頼する古屋一樹社長が率いる。コンビニ事業の叩き上げであり、長年の経験に裏打ちされた一言一言には、重みと、ある種の凄みがきいている。

まだ47歳という若さ

 ファミリーマートの実質的な中興の祖ともいえる上田準二元社長(現在はユニー・ファミリーマートホールディングス相談役)。伊藤忠商事出身ではあるが、スマートな商社マンというより肝っ玉商売人という印象が強い。

 「上田さんはよく女の子のお孫さんの話をされるんです。一緒に出かけるにも、なぜかお孫さんはサークルKサンクスが好み。これまでは『お願い、ファミマに行こうよ。サークルKサンクスに入ると怖いおじさんが立ってるよ』と言っていたのが、最近は『サークルKサンクスに立っていた怖いおじさんはいなくなった』と方針変更したらしいんです。こんなエピソードを聞くと、我々(加盟店オーナー)からはもうドッと笑いが起きるわけですよね」

 こう語るのはファミマのある有力加盟店オーナー。上田氏の経営者としての真骨頂は、ユニーグループ・ホールディングスとの経営統合をはじめ、大型の業界再編案件をまとめあげる交渉力と腕力にあるといえるが、やはり、加盟店との関係をつくるうえでは硬軟おりまぜながらオーナーたちをひきつけてきた。

クリスマスのキャンペーンで加盟店の店頭に立つファミリーマートの沢田社長(中央)=2016年12月、東京都豊島区

 2016年9月にファミマ社長に就任した沢田貴司氏も元々は伊藤忠出身だが、加盟店との関係づくりに心血を注ぐ。日経ビジネスのインタビューには「加盟店のためなら、バカでもなんでもやる」と宣言。5月上旬にゲスト出演したニッポン放送のラジオ番組では、加盟店スタッフとときに敬語を忘れて今後のファミリーマートについて語り合うなど、加盟店との密接な関係を築きつつある。

 竹増社長はまだ47歳。今後10年間ローソン社長を務めると仮定しても、そこからまた三菱商事本体に戻っての出世の道もありうるくらいの若々しさが武器だ。

 判官びいきというと聞こえは悪いが、記者はどうしても、トップブランドよりは2位、3位ブランドに頑張ってほしいと思ってしまう。6月からローソンはワントップ体制となる。はなはだ僭越ながら、コンビニ各社の経営トップに取材してきた立場から、率直な思いとして、エールを贈りたい。竹増社長、もっと「やんちゃ」になってください!