5月15日に開いたサラダ商品の説明会。プレゼンではローソンがお客の健康的な生活をサポートするコンビニであることを繰り返し強調するので、記者は少し意地悪に、こう聞いてみた。

 「ローソンは『マチの健康ステーション』を店舗コンセプトに掲げているが、売り上げの25%をタバコが占めている。健康を銘打ちながら、これだけのタバコを売っているのは矛盾ではないか。それでもタバコを売る意義はどこにあるのか」

 竹増社長の答えはこうだった。

 「我々は全国に1万3000店を展開している。普段から何気なく使ってもらえる、毎日来ていただけるお店にしていきたい。タバコだけでは毎日来ていただけるお店にならない。サラダだけを置いていても、なかなか来ていただけない」

 「コロッケもメンチカツもあるし、焼き鳥もサラダも、ご飯300グラムの大盛り弁当も置いている。けど実はティッシュもあって日用品もある。書籍棚もある。そういった意味では、やはりお客さまのニーズにさりげなく寄り添っていきたい」

 ……質問に回答しているようで、ほとんど何も答えていない。メーカーとの関係や、タバコの販売が加盟店オーナーの収入を支えている現状など、配慮しなければならない「大人の事情」があることは理解できる。とはいっても……。

 「タバコが多いのは事実だが、今後は禁煙支援商品も提案していきたい」でも「休憩時間のタバコを心の安定剤にして働いている人もいる」でも「対面販売のコンビニだからこそ、未成年の喫煙を防げるメリットもある」でも何でもいい。とにかく、竹増社長の経営者としての考え方を聞きたかった。

カリスマもスーパースターもいない

 ダイエーの小型店事業として約40年前に生まれたローソンは、その後三菱商事が筆頭株主となり、新浪剛史氏(現サントリーホールディングス社長)が送り込まれた。その後、新浪氏の後継者として経営支援会社リヴァンプを率いていた玉塚氏を迎えた歴史がある。

 「ローソンにはもう、カリスマ(新浪氏)もスーパースター(玉塚氏)もいない。僕は普通の人。コツコツやっていくしかない」

 竹増氏は最近、社内でこう漏らしているという。偽らざる本音なのだろう。ある幹部は竹増社長を「自分で何か方針を打ち出していくというより、各部門にやりたいことをヒアリングし、丁寧に調整するタイプ」と評する。

 悪いこととは思わない。企業にはそれぞれ成長期、成熟期など様々なステージがあり、その時々に応じたいろんなタイプのリーダーを必要とする。

 しかし、加盟店を引っ張っていくためには、やはりある程度の発信力は必要になるはずだ。ローソンのある加盟店オーナーは「加盟店をやる気にさせるのは、やはり本部社長の仕事。玉塚さんの抜けた穴をすぐに埋めるというのは酷な話かもしれないが、今後に期待したい」と話す。