この観点からすると、いまの竹増社長にはある種の物足りなさを感じてしまう、というのが、記者の率直な感想だ。

 誤解を恐れずに表現するならば「面白みに欠ける」。語られる内容は建前論であることが多く、失点はしないが得点も少ない。「難局下のローソンをこう変えていくんだ」という情熱は感じ取りにくい。もちろん、本人も秘めたる思いがないわけではないと思う。だが、それがなかなかストレートに表に出てこない。

 具体的に振り返ってみる。

 たとえば今年1月、米国でトランプ大統領が誕生したときに竹増社長が発表したコメントは「期待と不安が交錯するなかでも、米国のみならず世界経済の活性化という面で、実業家出身のトランプ大統領らしい手腕を発揮されることを大いに期待している」だった。

 無難で、誰も傷つけないが、何かに資することもないコメントである。これでは竹増社長が、トランプ氏の就任がローソンにどう影響すると考えているのかなど、本来発信されるべき中身は伝わってこない。

玉塚会長を褒めに褒める

 今年4月、玉塚会長の退任記者会見も違和感があった。

玉塚氏(左)のような発信力を習得することはできるか(4月の記者会見)

 「今朝の取締役会があって、その前に玉塚さんの部屋で『(やっぱり)一緒にやりませんか』ということを申し上げた。ローソンはいま大変な時期にあるので『玉塚さん、一緒にやりましょうよ』と慰留に慰留を重ねた」

 「玉塚さんは本当にリーダーとしては傑出された方。スピード、決断力、実行力。全てにおいて経験も豊富で、一緒に働いた3年間、的確なご判断を間近で見ていた。本当にリーダーのなかのリーダー。全社一丸となって、大きな玉塚さんの穴を、みんな10cmずつでも背伸びして、しっかり埋めていきたい」

 慰留したのは本当のことなのかもしれない。だが三菱商事が関与を強めるなかで、玉塚氏の退任は誰が見ても既定路線だったはず。玉塚氏をここまでうやうやしく持ち上げる必要はあるのか。あくまで個人の感想ではあるが、正直、白々しくも思えてしまう。そうではなくて、玉塚氏の作ってきたローソンがどんなローソンで、自分は何を引き継ぎ、何を変えていくのか教えてほしかった。