しかし、そうした中国メーカーの中でも、珍しい内容を発表しているブースがあった。それは民営自動車大手の吉利汽車が発表した新ブランド「LYNK&CO」だ。スポーツセダン型のコンセプト車「03コンセプト」を展示していた。

 この「03コンセプト」は「カーシェア」を前提としている。スマートフォンのアプリをキー代わりにして、複数の人で1台のクルマをシェアできる。「使わないときは他の人に簡単に貸し出せる」。ブランコにゆられながら発表会でプレゼンしたアレイン・ビッサー上級副社長は、こう話した。さらに将来的には他人に貸し出せるようにして収益を得ることも可能だという。どうやって車を借りに行くのかなど疑問はあるものの、自動運転がより発達して、車が自分で目的地へ向かえるようになれば、より現実味が増すのかもしれないと想像した。

 一方の日本のメーカーは、車にかけるモノづくりの品質の高さや走行性能の高さをアピールしていたところが多かった。例えばトヨタ自動車はブース内に「品質は工程で作り込む」など車づくりの考え方の紹介や過去の名車を展示し、まるでトヨタ自動車博物館のような空間を作り出していた。それらと比較すると、今回見た中国メーカーの車は、奇をてらったという見方もできるが、高級さやくつろぎ、所有を前提とせず資産性を重視するといった新たな競争軸を持ち込もうという意気込みがうかがえた。