そんな川口氏の極意はラストオーダーの30分前に訪問することだ。厨房がコース料理を出し終えて落ち着く時間だそうだ。店内が見渡せるカウンター席に座って湯豆腐やチーズ盛り合わせなど腹に溜まらないメニューを頼みながら店長と話せるタイミングを狙う。

 川口氏が実践しているのが勝手に宿題を作って話しかけるチャンスを作るのだ。「この前の件調べたのですが」といったように前回の続きで店主が聞かなければならないような雰囲気を作り出す。川口氏は「必ずチャンスはやってくるの焦らず地道にやって欲しい」と新入社員にエールを送る。

SNSをフル活用

 いきなりお店へ飛び込むことに抵抗を感じる新入社員も多いだろう。新入社員はスマートフォンなどデジタル機器に慣れ親しんだ世代。使いこなしているSNS(ソーシャルメディアネットワークサービス)を活用したアポの取り方を伝授してくれたのが、九州地区で低価格の警備サービスを提供するプリンシプルの原田宏人社長だ。

 原田社長がSNS「フェイスブック」を活用したアポ取りを実践している。仕組みはこうだ。会いたいと思っている企業のページに「いいね!」を押している人の一覧を確認する。いいね!を押した人のうち、自分が直接友達なのか、友達でなくても共通の友人がいるのかがわかる。ここで誰にアプローチすれば、会いたい人までつながるか狙いを定める。原田社長は「ベンチャー企業が、代表電話からかけても『担当者は席を外しています』と言われる。永遠に会えない。何らかのツテがないと話を聞いてもらえない。突破のチャンスはネットにある」と話す。

プリンシプルの原田宏人社長。最近SNSを頼りに新規顧客の開拓にも使い始めた

 原田社長はこのやり方で業務提携を決めた。プリンシプルは九州の大手警備会社「にしけい」と業務提携しているがコネも知り合いもいなかった。

 原田社長は、まずフェイスブック上の「にしけい」のページを確認。「いいね!」を押しているなかに直接の知り合いはいなかったものの、共通の友人に中学の同級生がいる人を探し出した。この同級生がにしけいの社員と知り合いだったのだ。その友達が新規事業の担当者を紹介してくれ、さらに経営陣ともつながり提携が実現した。